原発再稼働・規制

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  • 2017.01.13

玄海原発の不十分な審査、残された不安〔原子力市民委員会〕

 原子力規制委員会は、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準に適合しているとする審査書案を2016年11月9日に了承し、再稼働に向け手続きを進めています。原子力市民委員会は、この審査書案についてのパブリック・コメント文例をまとめ、12月6日に公開しました※1。玄海原発だけでなく、川内原発など、すでに再稼働している原発が抱える問題点も明らかにしています。  一つは、今年4月の熊本地震で震度 […]

  • 2017.01.11

自治体原子力行政の要職を担う政府からの出向者たち〔茅野恒秀〕

 原子力市民委員会は2016年7月21日、愛媛県庁に「声明:愛媛県は伊方原発3号機再起動への同意を撤回し、安全対策の徹底的な再検証を行うべきである」※1を提出しました。その際に応対した県職員のうち、原子力安全対策推進監の要職を務める職員が、じつは原子力規制庁からの出向者であることがわかりました。規制庁の採用案内パンフレット※2には、この職員が愛媛県庁で「判断の大前提となる最も重要な安全性の確認」を […]

  • 2016.07.12

伊方原発の再稼働への疑問 ―原子力市民委員会との対話を拒否した愛媛県― 〔原子力市民委員会〕

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は、今年4月に発生した熊本地震の震源域の延長上にあります。マグニチュード8クラスの地震を起こす中央構造線断層帯がすぐ近くを通っていることから、あらためて安全性への不安が高まっています。そんな状況のもと、四電は6月24日から伊方原発3号機に核燃料を入れ始めました。7月下旬には制御棒を引き抜いて原子炉を起動する予定と報道されています。  原子力規制委員会は昨年7月に伊 […]

  • 2016.04.28

予測不能の熊本地震:川内原発を停止し、推移を見守るべき〔立石 雅昭〕

 4月14日に始まった熊本・大分地震は震度7に達する激震が2度観測されるとともに、震度5弱以上の強震・烈震が15回を数えるという、地震国日本でも前例のない地震となっている。これらの地震は当初、熊本県南西部の布田川・日奈久(ふたがわ・ひなぐ)断層帯の交差部付近で発生したが、16日午前中には北東の別府-万年山(はねやま)断層帯でM5.3、19日には日奈久断層帯の中部にあたる地域でM5とM5.5の地震が […]

  • 2016.04.20

熊本地震から考える原発防災計画の無責任〔菅波 完〕

 2016年熊本地震で被災したみなさまに心からお見舞いを申し上げます。  今回の地震で思うことは、自然災害に関する人間の想定の不十分さであり、甘さです。震度6に及ぶ余震が継続的に多数、発生しています。震源域が断層帯に沿って北東方向および南西方向に広がりつつあることも心配です。避難者は熊本県、大分県を中心に10万人を超え、余震による建物倒壊を恐れて、自動車内で夜を過ごす人も少なくありませんでした。そ […]

  • 2016.02.08

テロ対策の無理 〔筒井哲郎〕

 東北電力女川原発を昨年11月4日に見学しました。印象に残ったのは、テロ対策という目的で、本人確認や原子炉建屋内の入門管理で空港の金属探知機のようなゲートをくぐらせることです。さらに進むには2重扉を通らなければなりません。登録した人物以外の侵入を許さないというゲートチェックをしているに違いありませんが、武器を持って暴力的に破壊する集団にはまったく対抗できない、ソフトなゲートシステムに見えます。   […]

  • 2015.12.09

テロ対策施設先送りについてパブコメ文例集公開〔原子力市民委員会〕

 原発のテロ対策に必要な「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の建設を先延ばしする方針を原子力規制委員会が11月に発表し、パブリック・コメントを募集しています。新規制基準では2018年7月までの設置を求めていましたが、さらに数年先まで特重施設が無いまま運転できるように規制を緩める案です。原子力市民委員会は、これに強く反対しており、パブコメ文例集を公開しました。パブコメの締め切りは12月13日と迫っ […]

  • 2015.10.29

防災避難計画の無理〔筒井哲郎〕

 住民の被曝を低減するためには、防災避難計画を原発の安全審査と合わせて判断する必要があります。しかしこの計画の立案や審査は原子力規制委員会の所掌外となっており、計画策定は地元自治体に押し付けられています。一方、米国では敷地外の緊急時避難計画は州や地方政府が作成してFEMA(連邦緊急事態管理庁)が審査することになっており、その上でNRC(米原子力規制委員会)が事業所内の緊急時対策との整合性を確認して […]

  • 2015.09.29

高浜1号機の寿命延長は危険だ――当てにならない老朽化予測 〔井野博満〕

 1970年代に運転を開始した古い原発は2011年には18基あったが(右表)、福島第一原発事故の後、福島第一を含む11基はすでに廃炉が決まった。  残る7基のうち5基は、関西電力が所有している。原発の運転期間は原則40年と定められているが、関電は高浜1号機・2号機、美浜3号機の運転をさらに20年延長して60年使うという申請を今年4月、原子力規制委員会に提出した。中でも高浜1号機は、すでに廃炉が決ま […]