事故炉の後始末

  • 2018.03.12

廃炉のための人材育成はいらない〔筒井哲郎〕

 廃炉作業の需要が今後徐々に増えてくる。原子力を推進してきた官民の団体は、廃炉のために「人材育成」が必要だと強調している。たとえば、原子力委員会が昨年7月にまとめた「原子力利用に関する基本的考え方」の「廃止措置及び放射性廃棄物への対応」という項目では、「廃止措置は長期にわたることから、技術及びノウハウの円滑な継承や人材の育成も同時に進めることも重要である」としている※1。  筆者には、原発の廃炉に […]

  • 2016.10.28

廃炉ロードマップは絵に描いた餅〔筒井哲郎〕

 現在、福島第一事故サイトの後始末作業は、政府・東京電力が2013年6月27日に策定した「中長期ロードマップ」※1を基本に、毎年少しずつアップデートしながら進めている。全体としての「廃止措置終了までの期間」を30~40年後と表示しており、これが公式の終了期間として、地元自治体の復興計画やそのほかのすべての政策の基本をなしている。  このロードマップは、たくさんの開発項目を前提にして、「それらの開発 […]

  • 2016.06.29

幻想のデブリ取り出し〔筒井哲郎〕

はじめに  去る5月29日(日)に、NHK総合テレビでNHKスペシャル「廃炉への道2016 核燃料デブリ 迫られる決断」が放映された。  「迫られる決断」とは、政府および東京電力が決めた「中長期ロードマップ」に従うと、「デブリ取り出し方法を2017年までに決めることを迫られている」という意味に過ぎない。つまり、当事者たちが困難な計画を立てて、それに合わせるように頑張っているシーンを宣伝するかのよう […]