原子力市民委員会の原発ゼロ行程部会(第3部会)メンバーの明日香壽川さん(東北大学東北アジア研究センター教授)から、2019年6月に発表されたレポートの紹介がありましたので、掲載します。(原子力市民委員会事務局) * * * * * * 2019年6月25日、「未来のためのエネルギー転換研究グループ」は、日本における脱原発、脱温暖化をめざすために必要な2030年および2050年のエネルギー・ミック […]
脱原発に方針転換するには、政府や電力会社だけでなく、原発立地地域が自ら舵を切ることが期待されています。原子力市民委員会は4月20日、特別レポート4「原発立地地域から原発ゼロ地域への転換」を発表しました。なぜ立地地域が脱原発に転換すべきなのか、原発をゼロにすることによる地域経済や自治体財政への影響はどの程度なのかを分析し、転換するための基本的な考え方や必要な方策を提言しました。3章47ページとコン […]
原子力市民委員会は、特別レポート「『人間の復興』に必要な医療と健康支援とは?〜原発事故5年、いま求められていること〜」(全46ページ)を11月23日に発行しました※1。6月のシンポジウム※2での3人の講演と、パネルディスカッションの内容を増補改訂してまとめています。政府や地元自治体は、何が起きているか調べない、わかっていることを知らせない、そして助けてくれない。そんな厳しい状況に置かれたままの被 […]
原子力規制委員会は、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準に適合しているとする審査書案を2016年11月9日に了承し、再稼働に向け手続きを進めています。原子力市民委員会は、この審査書案についてのパブリック・コメント文例をまとめ、12月6日に公開しました※1。玄海原発だけでなく、川内原発など、すでに再稼働している原発が抱える問題点も明らかにしています。 一つは、今年4月の熊本地震で震度 […]
四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は、今年4月に発生した熊本地震の震源域の延長上にあります。マグニチュード8クラスの地震を起こす中央構造線断層帯がすぐ近くを通っていることから、あらためて安全性への不安が高まっています。そんな状況のもと、四電は6月24日から伊方原発3号機に核燃料を入れ始めました。7月下旬には制御棒を引き抜いて原子炉を起動する予定と報道されています。 原子力規制委員会は昨年7月に伊 […]
原発事故で汚染された稲わらや下水の汚泥などを燃やす仮設焼却施設が、福島県内の各地で稼働しています※1。1月には飯館村蕨平で1日240トン処理できる施設が稼働(故障で4月から停止中)したほか、田村市と川内村にまたがる施設や、楢葉町などでも計画が進んでいます。一方、二本松市に環境省が計画している施設は地元の強い反対で宙に浮いたままです。焼却の安全性は実証されていないので、燃やして廃棄物の容積を減らす […]
熊本地震をきっかけに、あらためて原発への不安が高まっています。原子力市民委員会は「新規制基準を見直すべきだ」とする声明を5月17日に発表しました
東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質は、広い範囲で自然環境や住民の生活環境を汚染しました。その後始末で政府の不条理な施策が続いています。問題の一つは「指定廃棄物」を巡るものです。 稲わらやごみの焼却灰、上下水道施設の汚泥などで8000ベクレル/kgを超えて汚染されているものは「指定廃棄物」とされ、昨年末時点で12都県で計約17万トンが保管されています。指定廃棄物に関わる制度には、わか […]
東京電力福島第一原発の事故で、自衛隊のヘリコプターが上空から使用済み核燃料プールに海水を投下しようとしていた映像を覚えている人は多いでしょう。過酷事故ではプールが冷やせなくなり、原発事故を一気に拡大させる源であることを世間に知らしめたシーンでした。 現在、使用済み核燃料はおよそ17000トンが各原発サイトならびに日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)に貯蔵されています。これらのほとんどがプールに […]
「増え続ける汚染水」 「指定廃棄物の処分場に住民は反対」 「使用済み核燃料プールの余裕わずか」 「高レベル廃棄物処分の適地探し」 「中間貯蔵施設の整備難航」……。 原子力発電が生み出す核廃棄物は、発生源や汚染レベル、固体や液体といった状態によって呼び名が細かく区分されています。それぞれの問題だけで議論されがちで、よほど詳しい人以外には問題の全貌を掴むのが難しくなっていました。東京電力福島第一原発事 […]