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  • 2016.04.20

熊本地震から考える原発防災計画の無責任〔菅波 完〕

 2016年熊本地震で被災したみなさまに心からお見舞いを申し上げます。  今回の地震で思うことは、自然災害に関する人間の想定の不十分さであり、甘さです。震度6に及ぶ余震が継続的に多数、発生しています。震源域が断層帯に沿って北東方向および南西方向に広がりつつあることも心配です。避難者は熊本県、大分県を中心に10万人を超え、余震による建物倒壊を恐れて、自動車内で夜を過ごす人も少なくありませんでした。そ […]

  • 2016.04.07

指定廃棄物のダブルスタンダード〔原子力市民委員会〕

 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質は、広い範囲で自然環境や住民の生活環境を汚染しました。その後始末で政府の不条理な施策が続いています。問題の一つは「指定廃棄物」を巡るものです。  稲わらやごみの焼却灰、上下水道施設の汚泥などで8000ベクレル/kgを超えて汚染されているものは「指定廃棄物」とされ、昨年末時点で12都県で計約17万トンが保管されています。指定廃棄物に関わる制度には、わか […]

  • 2016.02.12

使用済み核燃料は乾式貯蔵で―特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」から 〔原子力市民委員会〕

 東京電力福島第一原発の事故で、自衛隊のヘリコプターが上空から使用済み核燃料プールに海水を投下しようとしていた映像を覚えている人は多いでしょう。過酷事故ではプールが冷やせなくなり、原発事故を一気に拡大させる源であることを世間に知らしめたシーンでした。  現在、使用済み核燃料はおよそ17000トンが各原発サイトならびに日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)に貯蔵されています。これらのほとんどがプールに […]

  • 2016.02.08

テロ対策の無理 〔筒井哲郎〕

 東北電力女川原発を昨年11月4日に見学しました。印象に残ったのは、テロ対策という目的で、本人確認や原子炉建屋内の入門管理で空港の金属探知機のようなゲートをくぐらせることです。さらに進むには2重扉を通らなければなりません。登録した人物以外の侵入を許さないというゲートチェックをしているに違いありませんが、武器を持って暴力的に破壊する集団にはまったく対抗できない、ソフトなゲートシステムに見えます。   […]

  • 2016.02.03

核廃棄物の全容を知るために 特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」〔原子力市民委員会〕

「増え続ける汚染水」 「指定廃棄物の処分場に住民は反対」 「使用済み核燃料プールの余裕わずか」 「高レベル廃棄物処分の適地探し」 「中間貯蔵施設の整備難航」……。 原子力発電が生み出す核廃棄物は、発生源や汚染レベル、固体や液体といった状態によって呼び名が細かく区分されています。それぞれの問題だけで議論されがちで、よほど詳しい人以外には問題の全貌を掴むのが難しくなっていました。東京電力福島第一原発事 […]

  • 2015.12.09

テロ対策施設先送りについてパブコメ文例集公開〔原子力市民委員会〕

 原発のテロ対策に必要な「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の建設を先延ばしする方針を原子力規制委員会が11月に発表し、パブリック・コメントを募集しています。新規制基準では2018年7月までの設置を求めていましたが、さらに数年先まで特重施設が無いまま運転できるように規制を緩める案です。原子力市民委員会は、これに強く反対しており、パブコメ文例集を公開しました。パブコメの締め切りは12月13日と迫っ […]

  • 2015.10.29

防災避難計画の無理〔筒井哲郎〕

 住民の被曝を低減するためには、防災避難計画を原発の安全審査と合わせて判断する必要があります。しかしこの計画の立案や審査は原子力規制委員会の所掌外となっており、計画策定は地元自治体に押し付けられています。一方、米国では敷地外の緊急時避難計画は州や地方政府が作成してFEMA(連邦緊急事態管理庁)が審査することになっており、その上でNRC(米原子力規制委員会)が事業所内の緊急時対策との整合性を確認して […]

  • 2015.09.29

高浜1号機の寿命延長は危険だ――当てにならない老朽化予測 〔井野博満〕

 1970年代に運転を開始した古い原発は2011年には18基あったが(右表)、福島第一原発事故の後、福島第一を含む11基はすでに廃炉が決まった。  残る7基のうち5基は、関西電力が所有している。原発の運転期間は原則40年と定められているが、関電は高浜1号機・2号機、美浜3号機の運転をさらに20年延長して60年使うという申請を今年4月、原子力規制委員会に提出した。中でも高浜1号機は、すでに廃炉が決ま […]

  • 2015.09.24

ここが問題、指定廃棄物の処分場計画 〔原子力市民委員会〕

 東京電力福島第一原発事故で発生した「指定廃棄物」(表①)の処分場建設を巡り、各地で住民の反発が強まっている。候補地にされた栃木県塩谷町(しおやまち)で8月29日、町民ら約2700人が反対集会を開き、白紙撤回を求める決議を採択した。宮城県加美町(かみまち)では8月28日と31日の二度にわたって、同じく指定廃棄物の処分場建設のため調査に訪れた環境省の職員らを住民が道路をふさいで追い返した。両町の町長 […]

  • 2015.08.18

住民の声を無視した避難指示解除の押しつけ 〔原子力市民委員会〕

 政府の原子力災害対策本部は8月7日、東京電力福島第一原発事故で福島県楢葉町全域に出していた避難指示を、9月5日午前0時に解除することを決めた。楢葉町は約2700世帯で人口約7400人。全町が避難対象となった自治体の解除は初めてとなる。  避難生活に伴う東電からの慰謝料は、避難指示の解除から一定期間後に打ち切られる。このため解除は実質的には帰還を強いる兵糧攻めとなる。これまで解除された地域と同様に […]

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