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  • 2016.07.12

伊方原発の再稼働への疑問 ―原子力市民委員会との対話を拒否した愛媛県― 〔原子力市民委員会〕

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は、今年4月に発生した熊本地震の震源域の延長上にあります。マグニチュード8クラスの地震を起こす中央構造線断層帯がすぐ近くを通っていることから、あらためて安全性への不安が高まっています。そんな状況のもと、四電は6月24日から伊方原発3号機に核燃料を入れ始めました。7月下旬には制御棒を引き抜いて原子炉を起動する予定と報道されています。  原子力規制委員会は昨年7月に伊 […]

  • 2016.06.29

幻想のデブリ取り出し〔筒井哲郎〕

はじめに  去る5月29日(日)に、NHK総合テレビでNHKスペシャル「廃炉への道2016 核燃料デブリ 迫られる決断」が放映された。  「迫られる決断」とは、政府および東京電力が決めた「中長期ロードマップ」に従うと、「デブリ取り出し方法を2017年までに決めることを迫られている」という意味に過ぎない。つまり、当事者たちが困難な計画を立てて、それに合わせるように頑張っているシーンを宣伝するかのよう […]

  • 2016.06.03

焼却による減容化の安全性 〔原子力市民委員会〕

 原発事故で汚染された稲わらや下水の汚泥などを燃やす仮設焼却施設が、福島県内の各地で稼働しています※1。1月には飯館村蕨平で1日240トン処理できる施設が稼働(故障で4月から停止中)したほか、田村市と川内村にまたがる施設や、楢葉町などでも計画が進んでいます。一方、二本松市に環境省が計画している施設は地元の強い反対で宙に浮いたままです。焼却の安全性は実証されていないので、燃やして廃棄物の容積を減らす […]

  • 2016.04.28

予測不能の熊本地震:川内原発を停止し、推移を見守るべき〔立石 雅昭〕

 4月14日に始まった熊本・大分地震は震度7に達する激震が2度観測されるとともに、震度5弱以上の強震・烈震が15回を数えるという、地震国日本でも前例のない地震となっている。これらの地震は当初、熊本県南西部の布田川・日奈久(ふたがわ・ひなぐ)断層帯の交差部付近で発生したが、16日午前中には北東の別府-万年山(はねやま)断層帯でM5.3、19日には日奈久断層帯の中部にあたる地域でM5とM5.5の地震が […]

  • 2016.04.20

熊本地震から考える原発防災計画の無責任〔菅波 完〕

 2016年熊本地震で被災したみなさまに心からお見舞いを申し上げます。  今回の地震で思うことは、自然災害に関する人間の想定の不十分さであり、甘さです。震度6に及ぶ余震が継続的に多数、発生しています。震源域が断層帯に沿って北東方向および南西方向に広がりつつあることも心配です。避難者は熊本県、大分県を中心に10万人を超え、余震による建物倒壊を恐れて、自動車内で夜を過ごす人も少なくありませんでした。そ […]

  • 2016.04.07

指定廃棄物のダブルスタンダード〔原子力市民委員会〕

 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質は、広い範囲で自然環境や住民の生活環境を汚染しました。その後始末で政府の不条理な施策が続いています。問題の一つは「指定廃棄物」を巡るものです。  稲わらやごみの焼却灰、上下水道施設の汚泥などで8000ベクレル/kgを超えて汚染されているものは「指定廃棄物」とされ、昨年末時点で12都県で計約17万トンが保管されています。指定廃棄物に関わる制度には、わか […]

  • 2016.02.12

使用済み核燃料は乾式貯蔵で―特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」から 〔原子力市民委員会〕

 東京電力福島第一原発の事故で、自衛隊のヘリコプターが上空から使用済み核燃料プールに海水を投下しようとしていた映像を覚えている人は多いでしょう。過酷事故ではプールが冷やせなくなり、原発事故を一気に拡大させる源であることを世間に知らしめたシーンでした。  現在、使用済み核燃料はおよそ17000トンが各原発サイトならびに日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)に貯蔵されています。これらのほとんどがプールに […]

  • 2016.02.08

テロ対策の無理 〔筒井哲郎〕

 東北電力女川原発を昨年11月4日に見学しました。印象に残ったのは、テロ対策という目的で、本人確認や原子炉建屋内の入門管理で空港の金属探知機のようなゲートをくぐらせることです。さらに進むには2重扉を通らなければなりません。登録した人物以外の侵入を許さないというゲートチェックをしているに違いありませんが、武器を持って暴力的に破壊する集団にはまったく対抗できない、ソフトなゲートシステムに見えます。   […]

  • 2016.02.03

核廃棄物の全容を知るために 特別レポート「核廃棄物管理・処分政策のあり方」〔原子力市民委員会〕

「増え続ける汚染水」 「指定廃棄物の処分場に住民は反対」 「使用済み核燃料プールの余裕わずか」 「高レベル廃棄物処分の適地探し」 「中間貯蔵施設の整備難航」……。 原子力発電が生み出す核廃棄物は、発生源や汚染レベル、固体や液体といった状態によって呼び名が細かく区分されています。それぞれの問題だけで議論されがちで、よほど詳しい人以外には問題の全貌を掴むのが難しくなっていました。東京電力福島第一原発事 […]

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